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小学生の運動神経を伸ばすには?コーディネーショントレーニングの7つの力と遊び8選

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公開日:2021年4月13日
更新日:2026年9月21日
執筆・監修:寺尾 大地/株式会社コーディスポーツ

「うちの子は運動神経が悪いのかも」

「走る、投げる、縄跳びなど、何を練習すればいい?」

「家でもできるトレーニングを知りたい」

そんな保護者の方へ、最初にお伝えしたいことがあります。

小学生の運動能力は、今の得意・不得意だけで決まるものではありません。

さまざまな動きに出会い、自分に合った難しさで試し、「愉しいからもう一回」と繰り返す。その経験によって、体の使い方は少しずつ豊かになります。

この記事では、一般に「運動神経」と呼ばれる力を分かりやすく整理し、小学生向けのコーディネーショントレーニング8選を紹介します。家でできる運動遊びを中心に、運動が苦手な子にも取り入れやすい調整方法まで解説します。

できないは、才能がない証拠ではありません。まだ動き方に出会っていないだけかもしれません。

そもそも「運動神経がいい」とは?

日常会話でいう「運動神経がいい」は、単に足が速い、力が強いという意味だけではありません。

たとえば、飛んできたボールを見て位置を変える。音に合わせて跳ぶ。転びそうになったときに姿勢を戻す。相手の動きに応じて方向を変える。

こうした周囲の情報を受け取り、状況に合う動きを選び、力加減やタイミングを調整する力も含まれます。

なお、「運動神経」は医学的な診断名ではなく、学校体育で一つの数値として測るものでもありません。本記事では、子どもの体の調整力や動きの幅を表す分かりやすい言葉として使用します。

文部科学省の小学校学習指導要領解説 体育編でも、低学年の「多様な動きをつくる運動遊び」などを通して、バランスを取る、移動する、用具を操作する、力試しをするといった動きを経験することが示されています。

一つの技だけを早く完成させるより、多様な動きの引き出しを増やすことが大切です。

小学生のコーディネーショントレーニングとは?

コーディネーショントレーニングとは、合図に反応する、リズムに合わせる、道具との距離を調整するなど、状況に応じて体を動かす力を育てる運動です。

小学生の運動能力を伸ばすために、難しい筋力トレーニングを行う必要はありません。遊びの条件を少しずつ変え、考えながら多様な動きを経験することがポイントです。

運動神経を考える「7つのコーディネーション能力」

運動指導の現場では、体を調整する力を次の7つに分けて考えることがあります。

この7分類は、子どもへ順位を付けるためのテストではありません。「どんな遊びを増やすとよいか」を考えるための目安です。また、文部科学省の学習指導要領で必須分類として定められたものではありません。

能力分かりやすい意味遊びの例
バランス能力姿勢を保つ・崩れても戻す片足立ち、平均台、ケンケン
リズム能力音や相手の動きへタイミングを合わせる手拍子ジャンプ、ダンス
反応能力合図や変化へ素早く反応するじゃんけん遊び、合図ダッシュ
定位能力人・物・自分の位置関係をつかむボールキャッチ、鬼遊び
分化能力必要な力加減で道具や体を扱う的当て、ボール転がし
変換能力状況に応じて動きを切り替える方向転換、フェイント遊び
連結能力複数の動きを滑らかにつなぐ走って跳ぶ、投げて移動する

実際の運動では、複数の力が同時に使われます。たとえばボールキャッチには、反応・定位・分化・バランスなどが組み合わさっています。

スポーツ庁のマルチスポーツに関する情報でも、ジュニア期に多様な種目を経験することにより、多様な動きの習得、特定部位の使い過ぎを防ぐこと、社会性や協調性などが期待されると説明されています。

小学生の運動神経を伸ばす遊び8選|早見表

No.運動遊び主に使う力場所用具
1お尻歩きバランス・連結室内マットまたは敷物
2グーパーチェンジ連結・変換室内なし
3ポンポンじゃんけんリズム・反応室内なし
4カエルジャンプバランス・連結室内マット
5ジャンプマリオネットリズム・連結室内・屋外なし
6パンチマリオネット変換・連結室内・屋外なし
7リーダーだるまさん反応・変換・定位室内・屋外なし
8ラダー遊びリズム・バランス・変換室内・屋外ラダーまたはテープ

各運動は、1回3〜5分程度で十分です。うまくできるまで続けるのではなく、少し試して別の動きへ変えることを意識してください。

1.お尻歩き|座ったまま体を左右へ動かす

主に使う力:バランス・連結

床へ座り、左右のお尻を交互に前へ出して進みます。腕の振りと体幹、脚の動きをつなげる遊びです。

やり方

  1. 脚を前へ伸ばして座る
  2. 右のお尻、左のお尻を交互に前へ動かす
  3. 2〜3m進んだら、後ろ向きにも挑戦する
  • 簡単に:膝を少し曲げる、短い距離にする
  • 難しく:頭にタオルを載せる、腕を胸の前で組む
  • 安全:滑らないマットの上で行い、腰や股関節に痛みが出たら中止する

2.グーパーチェンジ|左右で違う動きをする

主に使う力:連結・変換

片手をグー、反対の手をパーにし、合図で左右を入れ替えます。

やり方

  1. 右手をグー、左手をパーにする
  2. 「せーの」で左右を入れ替える
  3. 慣れたら、パーの手だけ前へ出す
  • 簡単に:ゆっくり4拍で交代する
  • 難しく:足のグー・パーも組み合わせる
  • ポイント:間違えて笑える雰囲気をつくる。速さより切り替えを愉しむ

3.ポンポンじゃんけん|リズムに合わせて判断

主に使う力:リズム・反応

「ポン、ポン、じゃんけん」のリズムに合わせて跳び、最後に全身でグー・チョキ・パーを表現します。

  • 簡単に:手だけでじゃんけんする
  • 難しく:相手に勝つ、負ける、同じものを出すなど条件を変える
  • ポイント:考える時間を十分に取り、できたら少しずつテンポを上げる

4.カエルジャンプ|手で支えて腰を上げる

主に使う力:バランス・連結

両手を床へ置き、両足で軽く蹴って腰を上げます。倒立の完成を目指すのではなく、手で体を支えながら重心を移す感覚を愉しみます。

やり方

  1. マットの上でしゃがみ、両手を肩幅に置く
  2. 両足で床を軽く蹴り、腰を少し上げる
  3. 慣れたら空中で足裏を軽く合わせる
  • 簡単に:足を浮かせず、片足ずつ動かす
  • 難しく:足を上げる高さを少しずつ変える
  • 安全:必ずマット上で行い、前方へ十分な空間を確保する。首へ体重をかけない

5.ジャンプマリオネット|手足で違うリズム

主に使う力:リズム・連結

ジャンプしながら、腕と脚を開閉します。慣れたら、腕は2拍、脚は3拍など異なるリズムへ挑戦します。

  • 簡単に:ジャンプせず、足踏みで行う
  • 難しく:腕と脚のリズムを変える
  • 安全:隣と両腕分の間隔を取り、着地は膝を柔らかく使う

6.パンチマリオネット|上半身と下半身を別々に

主に使う力:変換・連結

脚を開閉しながら、腕は前・横・上へ順番にパンチします。

  • 簡単に:脚は足踏み、腕だけを変える
  • 難しく:合図で腕の順番を逆にする
  • ポイント:正確さを競わず、途中でリズムを立て直せたことも認める

7.リーダーだるまさん|見て、判断して、動きを変える

主に使う力:反応・変換・定位

リーダーの後ろをついて行き、リーダーと同じ動きをします。「だるまさんがころんだ」の合図でポーズを止めます。

  • 簡単に:歩く、止まるの2種類だけ
  • 難しく:動物、スポーツ、乗り物などの動きを加える
  • 安全:後ろ向き走や急に床へ倒れる動きは使わない。前の子と距離を取る

8.ラダー遊び|足の運び方を次々に変える

主に使う力:リズム・バランス・変換

ラダーのマスへ、両足、片足、横向きなどさまざまな入り方をします。ラダーがなくても、床へテープを貼ったり、縄やフープを並べたりして代用できます。

おすすめの順番

  1. 1マスへ両足を入れて進む
  2. 右・左を交互に入れる
  3. 横向きで進む
  4. 指導者の合図で進む方向を変える
  • 簡単に:マスを広くし、歩いて進む
  • 難しく:手拍子、ボール操作、方向転換を組み合わせる
  • 安全:速さを競わせすぎず、前の子が終わってから始める

ラダーの種類をさらに知りたい方は、ラダートレーニング12選もご覧ください。

効果を引き出す5つのポイント

1.毎回うまくできなくていい

コーディネーション運動は、動きを試し、考え、調整する過程が大切です。失敗を直ちに修正せず、「次はどうする?」と問いかけてみましょう。

2.同じ運動を長く反復しない

1種目3〜5分程度で切り替えます。前後・左右を変える、道具を変える、合図を変えるなど、少しずつ条件を変えます。

3.簡単すぎず、難しすぎない設定にする

「10回に7回ほど成功する」程度から始め、成功が増えたら条件を一つだけ難しくします。できない状態を長く続ける必要はありません。

4.好きな遊びから広げる

ボールが好きなら投げる・捕る・転がす。音楽が好きならリズム遊び。鬼ごっこが好きなら止まる・よける・方向を変える。

興味のある入口から始めると、自然に運動量が増えます。

5.結果より「試した工夫」を言葉にする

「速かったね」だけでなく、「足の幅を変えたね」「よく相手を見ていたね」と、工夫した過程を伝えます。

スポーツ庁の令和の日本型学校体育構築支援事業の事例集でも、技能差や体力差へ配慮し、全ての子どもができる喜びを味わえる指導が重視されています。

学年別|家庭での取り入れ方

1・2年生

  • 1種目2〜3分
  • まねる、止まる、跳ぶなど分かりやすい動き
  • 親子で一緒に行い、勝敗はつけすぎない

3・4年生

  • 左右で違う動きへ挑戦
  • ボール、縄、フープなど用具を加える
  • 子ども自身にアレンジを考えてもらう

5・6年生

  • 複数の動きや判断を組み合わせる
  • 記録の自己更新を目標にする
  • 動画を撮り、自分の動きを振り返る

スポーツ庁の小学校体育(運動領域)指導の手引には、学年別の体つくり運動や多様な動きをつくる運動の資料が掲載されています。

よくある質問

Q1.小学生の運動神経は後からでも伸ばせますか?

A.今できない動きが、経験と練習でできるようになることは十分あります。ただし、特定の遊びだけで全ての能力が向上すると保証することはできません。多様な運動を、無理なく継続することが大切です。

Q2.毎日何分くらい行えばよいですか?

A.家庭では5〜10分程度から始めましょう。長時間行うより、遊びの一部として定期的に取り入れる方が続けやすくなります。

Q3.運動が苦手な子には何から始めるとよいですか?

A.グーパーチェンジやポンポンじゃんけんなど、その場でできる遊びがおすすめです。速さや勝敗ではなく、本人が選んだ難しさで成功できるようにします。

Q4.コーディネーショントレーニングだけで足は速くなりますか?

A.走る際のリズムや体の使い方につながる可能性はありますが、これだけで走力向上を保証するものではありません。走る遊び、筋力、柔軟性、休養なども関係します。

Q5.7つの能力を全部均等に鍛える必要がありますか?

A.厳密に均等にする必要はありません。好きな遊びを中心に、少しずつ別の動きを加えていけば、複数の力を自然に使えます。

Q6.運動神経は遺伝で決まりますか?

A.体格や身体特性には個人差がありますが、子どもの動きは経験、環境、練習、興味など多くの要因に影響されます。「遺伝だから」と可能性を決めつけないことが大切です。

Q7.習い事は一つの競技に絞った方がよいですか?

A.小学生の時期は、複数のスポーツや運動遊びを経験する選択肢があります。本人の興味、生活時間、疲労を見ながら、愉しく続けられる環境を選びましょう。

Q8.痛みが出ても続けた方が上達しますか?

A.続けないでください。痛み、強い疲労、めまいなどがある場合は中止して休み、必要に応じて医療機関へ相談してください。

運動神経を伸ばすなら「いろいろ試せる環境」へ

コーディスポーツのスポーツ科学塾では、一つの競技だけに絞らず、走る・跳ぶ・投げる・捕る・よける・考えるなど、多様な動きをゲームの中で経験します。

できることを増やす最初の一歩は、苦手な練習を繰り返すことではなく、子どもが「やってみたい」と思えることです。

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