男の子ってみんなそうなの?食べる・寝る以外は動いているうちの3兄弟。よく食べて、よく動いて、よく転んで、よく笑って、よく泣いて、よく寝る。そんな3兄弟との何気ない毎日をエッセイという形で残したい。共感したりクスっと笑ってくれたら嬉しいです。
第8話:雨ニモマケズ、風ニモマケズ
雨の日も、風が強い日も、暑い日も、体操服がなんだか嫌な日も、リュックが重いとぐずった日も、弟の支度が遅くて怒った日も、幼稚園に3年間歩いて通った長男。年少のころは20分くらいかけて歩いた道も今では7~8分で到着する。
「時計の長い針が【1】になったらトイレに行って支度をしようね」と話し、できるだけ言われてやるのではなく、自分から気が付いてできるような工夫もしてきた。徐々に数字や時間がわかってくると、長男から「何分になった幼稚園へ行く準備するね」に変わっていった。
長男が年中になるタイミングで三男の里帰り出産のため、2ヵ月ほど幼稚園を休んだ期間があった。幸い、里帰り中も一時保育のある保育園に数回だが通うことができ、長男も貴重な体験ができたみたいだ。数日前、里帰り出産のときに行っていた保育園の話になって「あのとき食べた給食がおいしかった」、「お友達の名前はさすがに憶えていない」、「たのしかったよ!」と言っていた。あぁ記憶はあるんだなと感心したし、知らない保育園に嫌とも言わずよく行ってくれたなぁとしみじみ思い出した。
長男は幼稚園に入りたてのとき、自分の感情をうまく伝えられず、それが悔しくて思わず友達に手が出てしまうということがあった。私も幼稚園かあさん初心者で「どうしょう。」と心配したが、担任の先生方がそんな長男の気持ちを丸ごと受け止めてくれた。個別で話す機会をすぐにつくって、心配する私の気持ちまでくんでくれた。長男はそんな素敵な先生方がいる幼稚園で少しずつ友達とのかかわり方や気持ちの伝え方を学び、愉しい時間を過ごしていった。「今日は○○くんとたかおにしたんだ!」、「○〇くんがこう言ってたよ!」などたくさん話もしてくれた。
子どもは友達との関わりの中でたくさんのことを学んだり、一緒に喜んだり、共感したりする。距離が近ければケンカがつきもの。ケンカをする事でより人の気持ちがわかるようになると思う。安心して子どもを預けられる先生方や理解のある親御さんが多く私自身とても支えられた3年間だった。幼稚園に入園する前、テレビやネットなどでママ友が怖いなどと目にすることがあったが、実際は、気さくで、子どものことを考えている素敵な親御さんにたくさん出会えた。あぁ、そういう考え方もあるのかと発見もあってたくさん勉強になった。
長男は小学校も楽しみにしており、「勉強ってのをやるんだよね?」、「やっぱり給食が楽しみだな」などと話してくれる。てっきり不安なんてないんだなぁと思っていた。ある日、寝るために布団に入った長男が、布団の中でシクシク泣いていた。私はびっくりして「えっ!?どうしたの?どこか痛いの?」と聞くと、「・・・。おかあさんと一緒に通えなくなることがさみしい。」と言って泣いていた。不安を感じていたんだなぁ、新しいところに行くのにドキドキするのは当たり前だよなぁと気が付かなかった私は反省した。そして私も泣いてしまった。あぁそうだよね。雨の日も、風が強い日も、暑い日も、お互いが怒っていた日も、幼稚園での行事が楽しみだねと話しながら歩いた日も、ポケモンごっこしながら帰った日もあったよね。いろんな思い出がよみがえってくる。何でもない毎日だったけど、たくさんの想いを重ねて一緒に歩いてきたんだなぁと。そんな風に思ってくれていた長男を抱きしめて、「本当にたのしかったね。こちらこそありがとう。」と言って、手をつないで寝た。
雨ニモマケズ、風ニモマケズ。長男はこの3年間でとても優しく、たくましくなった。
卒園おめでとう。そして、いろんなことを教えてくれてありがとう!
この3年間の素敵な記憶が、大人になった長男の頭の片隅に少しでも残っていれば嬉しいなぁ、なんて少し欲もでてきた今日この頃であった。
3人子育てエッセイ『基本、食べる寝る以外は動いてます』をよろしくお願いします。
☆毎週金曜更新予定です☆
コメント