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3人子育てエッセイ『基本、食べる寝る以外は動いてます』第83話。

男の子ってみんなそうなの?食べる寝る以外は動いているうちの3兄弟。よく食べて、よく転んで、よく笑って、よく泣いて、よく寝る。そんな3兄弟との何気ない毎日をエッセイという形で残したい。共感したり、クスッと笑ってくれたら嬉しいです。


第83話:ベビーカーの思い出


 

その日は雨が降っていて、わたしはガッツリ雨具を着て自転車に乗って用事を済ませて家に帰るところだった。信号待ちしていると道路の反対側にベビーカーに男の子を乗せてお母さんが待っていた。男の子は少し前のめり気味でお母さんがベビーカーから手を離した瞬間、ベビーカーが前に倒れて、男の子は顔面から地面に落ちた。「わっ」と周りの人たちが駆けつけていた。男の子の泣き声が響いていた。信号が変わり、どうか痛みが治りますようにと祈りながら邪魔にならないように横切った。

ベビーカーを過信してはいけないし、手を離すときはタイヤにストッパーをかけなければいけない。そして非常時に備えてなるべく両手が空くようにリュックスタイルだったなぁと思い出す。

うちの3兄弟は同じベビーカーを乗り継ぎ、乗り継ぎで使用した。えっ!?それこそベビーカーを過信しちゃダメでしょ?となるのだが、1人あたりの使用頻度が非常に短い。

長男が生まれた時に住んでいたところは3階だったのだが、エレベーターはなく、それはもう、それは体力勝負の毎日だった。0歳児の長男はただでさえ成長曲線をはみ出していた大きめの男の子だったので、抱っこ紐に長男がいて、一応持って行ったベビーカーを右手にもち、左手には買い物袋で階段を上がっていた。そんなに買うなよなぁ〜とかネットスーパー利用しようよとわたしも思ったのだが、当時は買い物に行くと人と話せるし、職業柄スーパー散策はとても好きで、美味しそうな野菜や果物を見たり、お菓子の新商品を探すのも愉しかったのである。先ほど、一応持って行ったベビーカーと書いたのだが、長男はとても重かったのでずっと抱っこは厳しかった。電車やバスに乗るときは抱っこ紐の方が何かと便利だったが、目的地に行くまでの道のりをベビーカーに乗せて寝てくれるならばそれは嬉しかった。ある時は公園のベンチに座り、寝ている長男を眺めながら、好きなジュースでも飲んで一息つく。家の中と違って開放的で気持ちがよかった。

話は脱線してしまったが、3兄弟は皆1歳になる前に歩くことができて、歩くことができたら、もうそれが愉しくて、愉しくて散歩が大好きだった。親の方が疲れるし、ヒヤヒヤな1歳児の散歩だが、これがよかったのだと今になって実感する。歩くのが大好き3兄弟は歩けます!と言わんばかりにベビーカー乗車拒否もあった。特に強く拒否反応があったのは次男だと思う。長男が幼稚園に入りたてで、次男が1歳を過ぎた頃、三男の妊娠がわかりつわりがひどかった時、頼むからベビーカーに乗ってくれぇ〜と懇願した。あまり使いたくない手だったが、煎餅をちらつかせ、座ってくれたらあげるという技も使った。長男を幼稚園へ送り届けた後の帰り道がまた辛かった。嗚咽がきて、ベビーカーにもたれながら歩いて帰っていた。ベビーカーの持ち手を何度強く握り返したことだろうと懐かしく思う。次男は母がベビーカーを押しながら苦しんでいるのも知らず、ニコニコしながら手足をばたつかせていた。

三男も1歳を過ぎてからは乗る頻度がガクッと落ちた。玄関も広くないので、三男が1歳半になるかならないかで「バイバイ」することになった。何度も洗ったカバーや色褪せた荷物掛け。いろんな思い出が詰まったベビーカーにみんなで「ありがとう!」とお礼を言い、さようならしたことを思い出したのであった。

 

3人子育てエッセイ『基本、食べる寝る以外は動いてます』をよろしくお願いします。

☆毎週金曜21時更新☆

 

寺尾 美佳

寺尾 美佳

[かあさん栄養士 みかコーチ] 食生活から一緒に愉しいを創っていきましょう!

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