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3人子育てエッセイ『基本、食べる寝る以外は動いてます』第30話。

男の子ってみんなそうなの?食べる寝る以外は動いているうちの3兄弟。よく食べて、よく転んで、よく笑って、よく泣いて、よく寝る。そんな3兄弟との何気ない毎日をエッセイという形で残したい。共感したり、クスッと笑ってくれたら嬉しいです。


第30話:わたしと次男の2021年、夏の陣。


 

何度目の緊急事態宣言だろうか。今年の夏も帰省できない。旅行もできない。気軽に遊びに行けない。子育て中の親御さんなら誰もが感じるであろう。子どもはじっとしていられない。いや、動いてもらわないとお腹も空かなければ、ぐっすり眠れないのである。我が家の夏休みは近所の公園か近所の水場。のびのびと遊べる近場の公園や水場は、実は子どもたちにとったら一番最高の夏休みかもしれない。親としては夏らしいことを、なんて考えたくなるのだが今年も我慢だ。

数ヶ月前、次男が虫に心奪われた。昆虫図鑑を眺める日々。大きくなったら虫の人になると目を輝かせながら宣言しているではないか。そんな次男の特にヒットしている虫は、セミであった。セミにもたくさん種類があり、鳴き方も違う。なんとなくだったわたしのセミの知識がアップデートされていく。何年間土の中にいて、どれくらい生きるのか。次男はまだ字が読めないので、読んでいるといつの間にか詳しくなる。

さて、長男はというと次男ほど虫には反応していない。やっぱり兄弟で好きなものが違うのだなぁと面白く感じる。三男は実物を見ると引き気味になるが、次男が幼稚園に行って家にいないときは、これを読んでくれとわたしに昆虫図鑑を差し出す。

曇りでやや風があった日。水場はずっといられないと判断し、近場の公園へ行く。長男はハマっているドッジボールをしたくてボール持参。次男は虫かごに虫取り網を持って出発する。木の割と低いところにあぶらゼミが止まっているではないか。いち早く見つけた次男だが、「お母さんが捕まえて」と網を渡してくる。セミに悟られないようにそーっと網を近づけ、いざ!と振りかざすが逃げられてしまった。「あーぁ」と言われる始末。これを5回くらい繰り返してしまった。わたしも流石に悔しいが、100均の網で、わたしの技術ではそう簡単に捕まえられないことがわかった。長男が3度目くらいで上手に捕まえて、初めてセミを触り、虫かごの中に入れていた。長男の勇姿に一同拍手する。間近でセミが見られるというのに、虫の人になりたいと公言していた次男は一向に近づけない。距離の取り方に思わず笑ってしまった。三男は謎の声を出しており、外野は今日もご機嫌だった。

セミを何度も取り逃したわたしの失態を「そんな日もあるよ」と言ってくれた次男。優しいじゃぁないかと思いながら、セミと一定の距離をとる次男が可愛かった。セミの抜け殻を虫かごに入れる姿は愛おしかった。

ほお〜お、お〜。ホラ貝が鳴り響く。2021年、夏。遠出はできないが、セミを網で捕まえて、虫かごに入れる。わたしと次男のいくさなのである。

 

3人子育てエッセイ『基本、食べる寝る以外は動いてます』をよろしくお願いします。

☆毎週金曜21時更新☆

みかコーチ 【3児ママ】

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