男の子ってみんなそうなの?食べる寝る以外は動いているうちの3兄弟。よく食べて、よく転んで、よく笑って、よく泣いて、よく寝る。そんな3兄弟との何気ない毎日をエッセイという形で残したい。共感したり、クスっと笑ってくれたら嬉しいです。
第22話:産後、旦那に噴火した日
3兄弟はみんな里帰り出産して産んだ。里帰り出産に快く承諾してくれた旦那はもちろんのこと、父、母にはとても感謝している。特に初めての出産は不安が大きかったのだが、慣れ親しんだ実家と地元の空気。自分が育ったところで過ごす時間は不安を和らげてくれた。何より、実家の近くにクリニックがある。何かあればすぐに受診できること、先生をはじめ看護師さんや助産師さんが優しかった。地元にはたくさんの安心材料があった。
無事に出産し、産後1ヵ月半ほど実家で過ごした。いざ、東京に出発する日。両親、妹への感謝の気持ちと、これから東京に戻って育児する不安や産後のあれこれが重なり、出発してから密かに泣いていたこと、こっそりとここに綴っておこう。
東京での旦那、長男、わたしの3人暮らしがスタートした。とにかく母乳をよく飲む長男はすくすくと育ち、健診のたびに成長曲線を大きくはみ出す威勢のよさがあった。一日に何枚も写真を撮っていた。可愛くて仕方なかった。その誇らしい成長の裏で、寝不足や長男の成長に伴って初めてのことがたくさんあり、「この子はわたしがみていないといけないんだ」と知らず知らずのうちに緊張もしていただろう。良い感じに疲れていた。日中は2人での生活。旦那は夜も仕事の打ち合わせがあると、一日誰とも会話せずに終わることもあった。買い物へ行った際にレジで、「袋はいりますか?」と聞かれ「いりません。」と答える。この一言で一日の会話が終了した日もあった。
今思えば、もっと実家の母や友達に連絡してもよかったと感じるが、当時は、あまり心配させたくないとか、友達も忙しいかなと思うと頻繁に連絡出来なかった。
噴火する日が近づいていた。長男が半年くらいになったある3連休の前日。「明日の夜、フットサルに行ってきてもいい?」と旦那に聞かれ、「いいよ~」と答えるわたし。旦那は、自分で事業を初めて5年目で長男が産まれた。毎日、毎日仕事を頑張っていた。旦那は止まらない、いや、止まってはいられない性格で、身体を動かさないと具合が悪くなるのである。次の日も「どこどこのフットサルがあるから行ってきてもいい?」と聞かれた。おう!?と思ったが、昨日は夜だけだったし、日中別のチームともやりたいよなと思い、「わかったよ~」と送り出す。まぁここまでが限界だろう。ところが、旦那はさらに「明日も行ってもいいかな?」と聞いてきた。ぬぉ!?と、かなり不快さをにじみだしたが、「あ、うん、わかった」と答えた。1日目は心から愉しんできてねと思っていたが、2日目はやや不信感をいだき、3日目は確信に変わった。
噴火したのが3日目の夜だったのか、数日経ってからだったのかは正確に覚えていないが、溜まっていたものが爆発したことは、はっきりと覚えている。旦那に向かって、「今、すぐに話せるオトナはあなたしかいないの!話しがしたいの!!」と叫んだ。自分でもびっくりな噴火だった。日中、長男は「あーうー、あーうー」と言ってニコニコしているか、何かを訴えるために泣いていた。会話のキャッチボールができないのである。あぁ、こんなにも誰かと話しができないことがストレスになるんだなぁとしみじみ思った。旦那にも自分の時間を愉しんでほしい思いはあるものの、やっぱり一緒に家にいて日中のあれこれを聴いてほしかったんだなぁと。
この噴火事件はわたしたち夫婦の中では共通認識のある出来事で、旦那もガツーンと反省したらしい。わたしも溜め込んで噴火する前にできるだけ状況を伝えるようにしなければと学習した。
あれからもう7年間。火山灰をまき散らすことも多々ある。こうやって振り返るともう笑い話にできていることが嬉しかったりする。頑張ってきたと旦那も子どもも自分も全部まるっと褒めたい。そしてこれからもこんな笑い話をたくさんしていきたい。
3人子育てエッセイ『基本、食べる寝る以外は動いてます』をよろしくお願いします。
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