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3人子育てエッセイ『基本、食べる寝る以外は動いてます』第13話。

男の子ってみんなそうなの?食べる寝る以外は動いているうちの3兄弟。よく食べて、よく動いて、よく転んで、よく笑って、よく泣いて、よく寝る。そんな3兄弟との何気ない毎日をエッセイという形で残したい。共感したり、クスっと笑ってくれたら嬉しいです。


第13話:それは嵐のように突然やってくる


 

嵐のように突然やってくるもの。それは次男の「おしっこ」という恐怖の4文字。わたしと次男のせめぎあい、まさに戦(いくさ)なのである。

緊急事態宣言を経て、2020年6月から遅めの幼稚園生活をスタートさせた次男。今か今かと待ちわびた幼稚園はそれは愉しいものだっただろう。幼稚園の玄関先ではお母さんと離れるのが悲しくて泣いている子どもや石のように動かない子どもがいる中、次男はコチラを振り返ることなく幼稚園に引き寄せられるように入っていった。

当時、3歳4ヵ月の次男。上手くいかないことの中にトイレがあった。わたしからみたらギリギリまでスリルをたのしんでいるようにもみえるのだが、本人はトイレより大事なことが山ほどあるようだ。パンツに少しおしっこを漏らして尿意に気が付き、トイレに走るのだが、濡れてしまうを繰り返していた。最初の頃は先生から「今日は間に合わず2回着替えました」とビニール袋に素敵なお土産。上履きもセットなんて日には、仕方がないことなのだが、別洗いは夕方のわたしには結構こたえた。

だんだんと先生からは「今日は1回だけ着替えました」や「今日はおトイレを早めに教えてくれました」に変わっていった。次男は鍛錬を積み重ねた。

ある朝。いつもどおり幼稚園の支度を済ませ、長男と次男とわたしにおんぶされた三男の4人で家をでる。ゆっくり歩いて片道10分の道のり。中間地点に公園のトイレがある。幼稚園にもうすぐ着く地点にもトイレがある。その日は、家を出る前にトイレにいった。と思ったのだが、きっと行ってなかったのだろう。家と中間地点の公園の間でいきなり次男が「おしっこ!」と叫ぶ。うえぇえ!?と耳を疑ったがモジモジしている次男がいるので聞き間違えではなかった。引き返そうか、進もうか数秒悩んだ結果、わたしは突き進むことにした。長男に「先に行くからゆっくり来て!」と言い次男の手を握り、三男をおんぶしているわたし達は走り出した。三男はわたしが走ることで上下に揺れる感覚を愉しんでおり、わたしの背中でキャッキャッしていた。キャッキャッされると腰に響き、勘弁してくれーと思いながら走った。

見通しのよい直線の道路。長男も走り出したようだ。前を見て、もう一度長男を確認しようと振り返った瞬間、長男がド派手に転んだ。しかも園リュックのチャックが開いていたのか、あらゆるものが地面に散乱。長男とは少し距離があったので、「だーいじょーぶかーーーい?」と叫ぶと、「う、ヴんっ!」とよくわからない声をだしていた。泣いていなかったし、大丈夫だと思い、「ごめん長男よ、まずは次男をトイレへ連れてまいる」と心の中で謝り、ひたすら直線を走った。なんだかコントのような一瞬であったが、次男はなんとかトイレに間に合った。

荷物を回収して長男が合流。すっきりした次男。まだ走らないの?と言わんばかりにわたしの背中ではねる三男。わたしは止まったことで汗が一気にでてきた。なんだろうこの夕方のような疲労感は。時計を確認するとやっぱり8時半前だった。

4歳になり、最近ではパンツにおしっこを漏らすことなく、その前に気が付き猛烈なダッシュでトイレに駆け込む。自分で気が付いて行けるようになった。その猛ダッシュぶりをみると、もう少し早く行けないのかと思うが、これもきっと鍛錬なのだと。

嵐のように突然やってくる「おしっこ」に翻弄された。次男が日々鍛錬しているように、わたしの気持ちの鍛錬も続くのである。そして、次に待つ、あのキャッキャッしていた三男との戦いに備えようではないか。

 

3人子育てエッセイ『基本、食べる寝る以外は動いてます』をよろしくお願いします。

☆毎週金曜21時更新☆

みかコーチ 【3児ママ】

みかコーチ 【3児ママ】

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